Daxtraブログ:面接は1円も生まない非生産的な時間

以前に書いたように、日本では履歴書といういわゆる身上書が主流なので、その人の経験などはそこからまったくわからないため、勢い採用に関しては面接が重要になります。

 

私は人材ビジネスの経験者で、かつ海外も経験しているので、世界標準で言えば、日本のあの履歴書的なものが存在しているのは(多少中国では似たようなものがありますが)基本的にはどこにもありません

 

企業が知りたいのは候補者の経験やスキルであり、どこに住んでいるかなどは入社時の事務手続きでは必要かもしれませんが、選考時にはまったく必要のない情報です・・・

履歴書にはコンパクトに学歴や職歴はありますが、肝心の経験やスキルに関する記述は一切ないので、これだけ逆にどうやって書類選考すれば良いのか・・・と思ってしまいます。

 

まぁ、日本式履歴書の様々な問題にはまたいつの日に触れるとして、今日は面接重視の採用プロセスの問題点を書いていきたいと思います。

 

 

今日は求人を出す企業の目線で書いていきます。

 

 

一言で言えば、この面接のおかげで日本の会社の生産性は著しく低下しています。

 

ご存知のように日本のホワイトカラーの生産性は先進諸国の中ではとても低いです。

 

一般にはそれは日本人が手当目当ての残業が多いから、などと言われていますが、管理職になれば残業手当そのものがないので、実態は残業せざるを得ない作業が多すぎる、ということです。

 

でも日本人はとても勤勉で、どこかの国のように昼食後に昼寝の時間などもありません。

つまり、これ以上、何かある業務の処理時間を短縮させることはかなりむつかしいはずです。

 

 

ということは、今「仕事だと思ってやってること」自体が実は無駄なんだ、という発想を持たなければならない、ということです。

 

 

「あぁ、また今日も夕方から面接が2つ入っているよ・・・」

 

「えぇっ!? 昨日も面接してましたよね?」

 

「そうだよ、この1週間で10人と面接」

 

「えぇっ! 10人も!? で、良い人いました?」

 

「いやぁ、初対面の人を1時間話したくらいじゃわかんないよ、正直…

 俺、面接の専門家じゃないしさ」

 

 

先日電車の中で隣にいた人達の会話です。

こんな会話、昨今では珍しくもなんともありませんよね?

 

「現場の営業数字の責任者が一週間に10人も面接って、多くないかな?」

 

と思われる方もいるかもしれません。

 

でも考えてみてください。

例えば営業が100人いる会社であれば、だいたいですが、年間に15人は転職してしまいます。

(会社によってばらつきがありますが、正直営業系の平均転職率はもう少し高いかもしれません)

 

15人の補充採用を考えると、30人は内定を出さないといけないでしょう。

(内定辞退や入社前辞退者は必ず出ますので)

 

30人に内定を出すためには平均値ですが、60人が最終面接に進む必要があり、そうなると一次面接の母集団はやはり最低でも600人くらいは面接をしないといけないでしょう。

(この場合、面接から内定までの率は5%ということになります)

 

 

低いと思われますか?

 

人事の採用担当者なら、間違いなく、この数字の妥当性がわかると思います。

 

 

実際、私が先週お伺いした会社は、人気企業だから、ということもあるかもしれませんが、応募者1000人に対して、書類通過率40%で、最終採用率は1.7%とおっしゃっていました。

つまり400人面接して平均1.7人しか採用しない、ということは面接から採用の率はわずか

 

 

0.4%(!!)

 

 

です。

 

 

100人の営業組織となると、通常は12くらいのセクションに分かれるかと思うので、12人のマネージャー(課長)がいるかと思います。 つまり、ちょうど1つのセクション(課)で毎年一人は退職者が出る、という感じです。

これって営業職や販売職で考えると、至極普通の数字だと思います。

 

そしてだいたい一次面接をするのはそこの課長さんですよね?

 

12人で年間600人を面接するということは、1求人あたり50人となり、自分の課で欠員が出た場合の補充のための面接と考えると1週間で10人と面接する、という数字は極めて普通、ということになります。

 

さて、現場の重要な営業課長が一人当たり50人を1時間、面接をするということは、毎月1人の課長さんが1週間以上(6.25日)、丸々姿を消しているのと同じです。

 

 

これって、ものすごくもったいない時間ですよね!?

 

 

 

「いやいや、管理職は採用も仕事の一環で、優秀な人の採用はとても大切な管理職のミッションですよ!」

 

 

という声が聞こえてきそうです。
そうです、その通りです!
管理職のミッションは、優秀な人の採用であって、
面接に時間をかけることでは無いんです!
そこを実に多くに人が勘違いをしています。
面接も仕事だと思っている人がなんと多いことか!
もう一度書きますね。
今「仕事だと思ってやってること」自体が実は無駄なんだ、という発想を持たなければならない、ということです。

 

 

では、どうすればこれって解決できるのでしょう?

 

 

企業にとって、人は経営の絶対資源なので、とても重要なのもので、優秀な人を採用するレベルは絶対に落とすわけにはいきません。

 

つまり今までと同じレベルの人を採用しなければならないのです。

 

しかし、面接をしている時間は会社にとっては1円も生まない、究極の非生産的な時間です。

 

 

ということは、書類選考の質を高めて、面接数を減らして、採用率を高めるしかないのです。

 

つまり、より質の高い候補者とだけ面接をして、そこから内定者を出すことです。

 

 

しかし、書類選考をする材料が、経験やスキルなどがまったくわからない履歴書1枚では、どうやって書類選考の質を高めることができるのでしょう!?
確かに職務経歴書があれば、そこには十分な経験やスキルなどが書かれていますが、これを数百枚読むというのも、同じく現場の営業課長の時間を浪費してしまうので、結局面接をするのと同じくらい工数が取られてしまいます。
つまり解決策は、

いかに事前に面接に値する良質の人だけを選別できているか?

ということに尽きます。

 

勘の良い方はすでに気づいているかと思いますが、

 

 

そうです!

 

それを実現するのが弊社のParsing技術ということになります。

Parsing技術についてもっと知りたい方は弊社のホームページにお越しください。

 

Daxtraのホームページ

 

 

次回は、人材紹介側の目線で、同じく履歴書ベースの推薦がどんな問題を起こすのかを解説したいと思います。

 

 

ではでは、