Openなシステムを利用する重要性について

DaXtra Technologies AsiaのCEO、Sergei Makhmodovは主張します。

「最先端の採用システムは「オープンなベンダー」を選択することで、よりその価値が増大します。」

私たちの人生の残りの大半は、よりテクノロジーに依存した世界であることは言うまでありません。 Fintechは金融の基盤となりつつあり、ソーシャルメディアのテクノロジーはメディアの基盤となりつつあり、そして、HRテックは人材採用の基盤になりつつあります。

テクノロジー企業は常にニュースのトップになり、投資家からの資金調達も増大しており、またテクノロジー企業であるというだけで最高の企業評価を獲得しています。

今、人材紹介業界のリーダーたちは、自社の業務効率を上げ、売り上げを拡大させ、競争に勝ち抜くためには最新のテクノロジーの導入が必須であることを理解しています。

しかし、これらの指導者の多くが理解していないのは、オープンなアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)をサポートするソフトウェアパートナーを選択することがさらに重要であるということです。

間違った選択をすると、費用が膨らみ、新たな非効率性が生じてしまうなど、痛い結果を招く可能性があります。 新しい技術に貴重な資本を投下して、期待とは真逆の結果になるということです。

読者の中でその言葉にあまりなじみがない方々のために、オープンとクローズドのシステムの違いを少し解説しましょう。

簡単に言えば、オープンなテクノロジーシステムやソリューションは、APIもオープンなので、他社製のソリューションやサービスと容易に連携または統合ができます。

Googleを考えてみましょう。もちろん彼らにも閉鎖された側面や領域もありますが、基本的には彼らが提供する世界は常に開かれており、そこに新たな外部サービスを組み込むことのできる適応型生物として働いています。(外部から誰もが自分たちのサービス(触覚や手足)を加えることで、Google自身が成長している、というイメージです)

クローズドシステムの課題

片や閉鎖的(クローズド)なシステムが提供するのは閉じられた空間で、ユーザー企業はその限られた空間の中でのみ作業をすることを強いられます。

もしも人材紹介会社が最新のソリューションを自社のクローズドなATS/CRMで使いたいと思ったら、やれることはそのクローズドなシステムを提供しているベンダーに同じものを開発してほしいと頼み込むか、もしくはあきらめるか、この2つの選択肢しかありません。

閉鎖的なシステムはオープンなAPIを受け付けるDNAを持っていないので、例えば様々な先行きや状況に応じた柔軟な変更や微調整といった対応は不可能です

お客様がクローズドシステムを使っていることで受ける悪影響を私自身も頻繁に仕事で経験しています。たとえば、ある大手の人材紹介会社では、当社の検索技術を導入すればすぐに大きな効果があると考えており、また弊社の履歴書の構文解析ソリューションが業務効率を向上させ、コストを削減し、より良い候補者を獲得するのを助けてくれることがわかっていました。しかしベンダーから提供されているATSはクローズドなシステムなので、そこにDaXtraを差し込むことはできません。ドアは閉じられています。そして登録者がすでに何万、何十万人と完全に定着しているクローズドなATSシステムを捨てる困難さを考えると、メリットがあるとわかりつつもその決断ができない、という現象です。

結果、その人材紹介会社は、市場で提供されている新しいソリューションの恩恵を受けることができず、ハムスターホイール開発の罠(逃れることができない、という意味)に閉じ込められ、将来の見通しに革新を起こすことができず、精度の低いデータベースのデータに頼るしかないという状況に苦しんでいます。機会損失の被害は甚大です。

一方で社内に目を転じると、その人材紹介会社の社員は自らの職場の非効率性によって不満を募らせています。彼らは、市場でより良いソリューションがあることを知っています。彼らは、競合他社ができていることが、なぜ自社ではできないのか?ということが理解できません。その結果、彼らはすぐに船を乗り換え、より柔軟で革新的な企業に移ってしまいます。 会社としてはこのような機会損失に加えて、さらに優秀な人材の流出という二重の痛手を、クローズドシステムによって被ります。 イノベーションとビジネスの成長を阻害し、スタッフの士気を低下させてしまうのです。

こういうことが起きる大きな要因は「認識」です。残念ながら人材紹介会社や企業の採用担当者は、オープンシステムとクローズドシステムの違いに少しも気をつけておらず、その弊害を認識していない、ということに私は何度も直面しています。APIという言葉すら聞いたことがない人もいます。彼らが知っているのは有名なソフトウェアベンダーのブランドですが、そのうちのいくつかは問題の閉鎖型のシステムです。

彼らは知名度の高いソフトウェアブランドに惑わされ、閉鎖的なシステムを結婚相手として選んでしまうのだが、この選択は結果として会社の成長を閉ざし、最終的には莫大な費用や痛みを伴う離婚という形でしか終わらないことを知らないのです。

もちろんたくさんのクローズドなシステムは利用されています。例えばApple、ブルームバーグ、LinkedInなどを考えてみましょう。

スティーブ ジョブスが「オープンシステムが必ずしも勝つとは限らない」と言ったことは有名な話です。そして彼のこの言葉を支持する人もいるでしょう。実際にアップルは、最も魅力的なクローズドテクノロジの世界の1つを作り出したわけですから。

 

しかし多くの消費者はこのようなクローズドなシステムが限界に達していることを期待しています。 あまりにも市場を独占しており、それと組まなければ(そのシステムに対応していなければ)自社の商品やサービスが売れない、という強烈な支配力を持っており、結果として支配者側は協力的では無いですし、協業を積極的にやる必要もない存在になっています。

権力というものについて

実際に独自のクローズドな技術で圧倒的な市場への影響力(支配力)を持つことは多くの企業が望むことでしょう。 あなたの強い影響力でお客様や市場を思いのままに操れるからです。その結果、自社の商品価格は思いのままに設定できますし、それでも市場シェアを維持できるからです。

これはとても魅力的なことのように聞こえますよね? ただ、あくまでもこれは短期的にしか維持できないことです。

それはなぜか? 英国ではだれもが知っているアクトン卿の言葉を引用すれば、「権力は腐敗しやすく、それが絶対的であればあるほど、絶対に腐敗します」

市場シェアを席巻した多くのトップクローズド・ソフトウェアベンダーは、自らの支配力に従い、徐々に孤立し最終的には自らが確立した閉鎖的な状態を維持するために、自分自身がイノベーションできずに苦しむことになります。

その間に外界は急速に変わり、オープンなシステムは急速に変革し、顧客が必要とする価値とサービスを提供していきます。わずか数年で、今日の先駆者(支配者)が明日の周回遅れに変わる可能性があります。

古い格言があります。 「人は動かぬ島ではない」 拡大解釈をすれば、動かない採用テクノロジーもCRMもATSも転職サイトもありません。 動かないトータルシステムもありません。遅かれ早かれ、市場は変わっていきます。そして人材紹介コンサルタントはそれを実証する最適な立場にあります。

長期的な視点でいえばオープンAPIをサポートするソフトウェアソリューションを使うことは、ビジネスに、そして社員やお客様にとってはるかに効果的です。