日本の人材業界が大きく変革する時がやってきた

解説:過去数年で香港からの遠隔でありながらも日本で確実に利用実績を上げてきていたDaxtra社であったが、時期到来と判断し、日本での法人を最近立ち上げた

Daxtraは最近オーストラリアのシドニーでも新事務所を立ち上げたと聞いていますが、このタイミングでなぜ日本も立ち上げたのですか?

そうですね、そもそも日本という国はたくさんの魅力的な謎がいまだに残っている国で、 例えばSonyや任天堂のような世界をけん引するようなテクノロジーを持つ会社を生みながら、かたやでは寿司や焼酎の発祥の地でもあるというように、最新と伝統が混在し共存している国で、世界から見てもビジネスや文化の面で大きな敬意を持たれつつも、やはりある意味では不可解な謎めいた国、という印象があります。 そしてこの評価はすぐには変わらないと思います。

日本語がそもそも外国人には非常に難易度が高いという障壁がありますが、それに加えて国内の転職市場においては、終身雇用という世界に類を見ない文化があり、これは外国人からするとなかなか理解しがたい、いわゆる日本の謎めいた部分の一つになっています。ただ、この世界的に見ても不思議なほど未成熟な転職市場は急速に変化しつつあります。

なぜか? 簡単に言えば若い世代がより魅力的な仕事や機会により積極的になっているからです。 その背景には終身雇用に対する価値観の変化という文化的な開放もありますし、また日本経済が長きに渡った停滞からようやく脱却しつつあり、直近の有効求人倍率が戦後最高になる(注釈1)などの経済環境も追い風になっています。とくに東京などの都市部での求人需要はかつてないほどの高まりを見せています。

昨年は300万人以上が転職をし、これは2009年のリーマンショック以降の最高値なのですが、その中でも興味深いのは、中堅管理職の転職比率が高まっていることです。 実際、昨年転職した方々の中で50万人以上は45歳から54歳です。 かつては最も転職することが少なかった年代です。

これは終身雇用の文化が深く根付いていた数十年前には考えられなかった現象だと思います。当時は会社組織においては最善は定年までその会社に貢献するという考え方で、転職自体が世間的にはネガティブにとらえられていたからですが、数字が示すように近年は日本人の仕事に対する考え方に変革が起きていることは間違いがないです。 これは世界的な感覚により近づいていることを表しており、この傾向はもはや止められないものになっていると思います。

この構造的な変革は日本の人材業界に従事する人材コンサルタントに大きな影響を及ぼすことになります。 従来の人材コンサルタントの主要な仕事というのは、優秀な候補者を見つけたあとに、どうやってその候補者に転職を決断させるか、という説得作業であり、数多くの候補者の中からデータを細かく分析して最適な人材を見つけ出すことではなかったのです。

しかし近年では非常に多くの優秀な方々が自ら進んで、より魅力的な機会を求めて求人サイトに登録をしたり企業の採用ページに直接応募をしたりするようになってきています。つまり人材コンサルタントはより多くの時間をかけて多くの候補者をしっかりと把握する必要性があるわけです。 それをいかに限られた時間の中で効率的に行うかがまさに死活問題なるはずです。
そこがまさに当社が解決できる分野であり、今回このタイミングで日本法人開設を決めた理由でもあります。

Daxtra Parserを使うことで、まさにこの分野の諸問題が解決できるのですが、実は驚くべきことにCV-Parsing(履歴書の自動解析)領域において、日本語が扱える製品はDaxtra以外にありませんし、日本でこのようなサービスを提供している会社は今日現在1社もありません。

この理由の大きな一つは、実は日本語というのは世界の言語の中でも構文解析をするには、技術的見地からすれば最高難度だからです。 構文解析には発音は関係しないので、文字としての複雑性が難易度のポイントになるわけですが、日本語の履歴書ではごくごく当たり前のように、漢字、ひらがな、カタカナ、Alphabetの種類の文字が混在しており、これはあ世界的に見ても類を見ない数になります。当社は2015年から日本語に取り組み、ようやく日本語を当社の言語解析エンジンに組み込むことができました。

海外ではこのCV-Parsing(履歴書の構文解析)ツールは広く普及しており、海外でも展開をされている数社の大手日系人材紹介会社様は当社の情報を聞きつけて、すでに当社のサービスを利用していただいている実績があります。すでに業界の大手企業がCV-Parsing(履歴書の構文解析)に着手をしていることから、今後12か月から18か月で、このCV-Parsing(履歴書の構文解析)という市場は急速に拡大すると見込んでいます。

しかしながら今の現状を冷静に判断すれば、世界的には普及し定着しているCV-Parsing(履歴書の構文解析)は、その言葉すらも日本ではまだまだ多くの方々が知らない、という状況です。とくにIT技術にあまり長けていない人材コンサルタントや企業の人事担当者には全くと言って良いほど認知されていないといっても良いと思います。

そういう意味では、そこをいかに広げていくか?という今回のDaxtra Technologies Japanのミッションは私にはとてもやりがいのある仕事だと感じました。

このような理由で、今後当社が日本の人材業界や、優秀な人材の採用を熱望しているすべての業界の採用プロセスの変革に貢献ができる可能性が極めて高いということにとても興奮しています。

現状ではまだまだ多くの人材紹介会社が、候補者の履歴書や職務経歴書を単に添付として人材データベースに格納して、全文検索機能のみで候補者を絞り込んでいる状態です。 それで今までは十分に仕事ができていたからですが、上述したように、これからは多くの優秀な候補者の中から、いかにいち早く、正確に最適な人材を見つけ出せるかが、採用のカギになってきます。 その厳しい競争の中では、全文検索のような効率の悪い検索をやっていては間違いなく取り残されてしまいます。

候補者の経験やスキルを正確に把握するための唯一の方法とは、一つ一つの経験やスキル項目を個別に、あるいは複合的に検索できるように構造化された状態で情報をデータベースに格納することしかないのですが、しかしそのために履歴書、職務経歴書の膨大な情報を1件1件手入力するような気の遠くなるような作業をすることは現実的ではありません。
Daxtraを利用することで「最適な人材」を「迅速」に「誰よりも早く」見つけることが可能になります。